医療関係者ならほとんどの人がよく知っている言葉です。
Do Not Attempt Resuscitationの略で、「蘇生に成功することがそう多くない中で蘇生のための処置を試みない(日本救急医学会)」という意味です。
旧ブログ2012年10月22日の記事「15年後の更別」で、診療所は住民の皆さんが安心して亡くなることの出来る「場」を増やしていくことを意識的に行っている、と紹介しました。
そういった取り組みの中で現在、更別の地域密着型特別養護老人ホーム「コムニの里」では全入所者さんに対して、心肺蘇生に対する考え方の調査を行っています。
かなりの回答が集まったところで今日はこのDNARについて救急隊の皆さんと打ち合わせをしました。
DNARを希望されている入所者さんがあるとき心肺停止状態に陥ったとします。ここで救急隊を呼んでしまうと、現在の決まりでは救急隊は少なくとも医師の指示があるまでは心肺蘇生を行わなければならないことになっています。これでは入所者さんの希望とは全く違う結果になってしまいますね。
そこで「コムニの里」の職員は入所者さんが急変したときはその人がDNARを希望しているかどうかを素早く確認し、希望している場合は救急隊をコールせず、診療所の医師を直接コールするという判断を行わなければなりません。
と、今日はそんなことを確認するための打ち合わせでした。
打ち合わせでは、「コムニの里」の各ユニットにすぐに入所者さんの心肺蘇生に対する希望が一覧できる表を準備し定期的に更新することなど、重要なことも決めることができました。
コムニの里の皆さんの前向きな取り組み、救急隊の皆さんの協力には本当に感謝です。
このような地道な取り組みや協力の積み重ねが住民の皆さんの安心へとつながっているのですね。