2012年12月4日火曜日

乳幼児健診は家庭医のやりがいの1つなのです.

更別では2003年に帯広市内の病院の小児科にお願いしてきた乳幼児健診を私たち更別村診療所が引き継ぎました.
その後,2007年から同じ南十勝の大樹町,2010年から中札内村も担当させて頂くことになり,さらにさらに・・・地域の小児科医が休業された広尾町も2013年度から担当させて頂くことに!
気がつくと国道236号線沿いに4町村の乳幼児健診を請け負うことになってしまいました.
これで,2013年度は毎週火曜日の午後は乳幼児健診の日となることが確定!
少々負担感はありますが,小児科医不足で大変な昨今,私達家庭医がこのような形で貢献できるのであれば私達にとっても幸せ,と考えています.

家庭医は地域住民の皆さんの生活を支える身近な医療を専門とするため,地域・コミュニティやそこに暮らす皆さんをより深く理解したい,という性質を持っています.

いなかの乳幼児健診はまさしくそういう場で,やりがいのある大事な仕事と受け止めています.
お子さん達はほぼ100%に近い出席率なので,この地域の親子ほぼ全員と顔を合わせることになり,地域の親子の成長を医師の立場で見つめていくことができます.診療所の診察室ではゆっくり話せないワクチンなど病気の予防のはなししたり,受診するまでもないけれどちょっと聴いてみたいお母さんの心配事を聴いたり.
診察がすべて終わった後は保健師さんとのミーティング.
お互いに情報を共有し,ディスカッションするのですが,これがとても貴重.
普段の診療だけでは全然見えてこない更別の親子の生活,とその課題,いろいろなものが見えてきます.さらに顔を合わせて話し合うことで保健師さんとの連携,協働も深まっていきます.
こういうことにやりがいと喜びを見いだしてしまうのが,私たち家庭医の性質でしょうか.
10年前,時々診療所に受診してくれていた小・中学生の女の子が時を経て母親となって乳児健診に現れる・・・なんて,味わい深いことも時々起こるようになりました.

乳幼児健診では病気で診療所を受診するお子さんとは全く違った視点で診察するため,医師が乳幼児健診を実践できるようになるには別の勉強と指導が必要で,更別村診療所では家庭医を志す医師全員に指導を行っています.
そんなわけで更別村診療所から各町村の乳幼児健診に伺うときはいつも複数名でお邪魔しています.
若手の家庭医が一生懸命乳幼児健診をしているその傍らで偉そうに座っているおじさんがいたら,それはヤマダです(笑).
こうして更別を巣立っていった若手の家庭医が全国各地で地域へ貢献しております.どうかご理解と応援を!






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