2015年7月14日火曜日

医業も父親業も日々鍛錬.第20回「子育ての直感をみがく」 〜どんぐり通信2015年7月号より

 ある日の夜.
 5年生の息子が,彼が1歳半くらいのときの様子を撮影したDVDを棚から取り出して見始めました.滅多にこんなことはないので私も妻もそして2年生の娘も少しの間手を止めて一緒に見ることにしました.
 自宅に作った屋内用のジャングルジムで遊ぶ息子.テレビの音楽に合わせて激しく踊る息子.出勤しようとする私にしがみつき大泣きする息子.改めて聴くと恥ずかしくなるくらい優しい声色で息子に声かけする私や妻.
 10年近く前の山田家,プレイバックです.
「ぷくぷくだったよね〜今はこんなに細身なのにねえ」「このときから活発だったねえ」,娘も兄の幼き姿を見て「かわいい!」とまあ,ほっこりと幸せな時間が流れたわけですが,当の本人は意外にもそれほど笑うことも喜ぶこともなくボーッとみているだけ,寝る時間になるとさっさとDVDを片付けて眠ってしまったのです.
 息子は何を思いDVDを出してきたのか? 10年前の家族の姿を見てどう感じたのか? 何かを確かめたかったのか? 何かを私たちに伝えたかったのか? 答えは息子しか知らない.ひょっとしたら息子自身にも説明できないかも知れない.
 私はそれを息子に問うてみることはしませんでした.直感的にしない方がよいと思ったのです.今回は息子の心の中に生じた何かをこちらからこじ開けないで覗かないでおこう,と.
でも,問うた方がよかったのかも知れない.息子は聞いて欲しかったのかも知れない.
 子育てをしていると毎日のように,子どもにどのように接するべきかとっさに判断しなくてはならないことがありますね.正しいか正しくないかよく分からないけれど,子どもにとって少しでもベターな接し方を選びたいものです.
 日々子どもたちをしっかり見つめてこのような直感をみがいていくことも,親としての鍛錬でしょうか?

20157
更別村診療所

山田康介

2015年7月13日月曜日

診療所は家庭医(総合診療医)の教育施設です 〜診療所かわら版 2015年7月号より〜

人口3300人の村の診療所に常勤の医師が4人いて,どんな健康問題であっても相談することができる.急病やけがのときは365日24時間診察を受けることができる.
当たり前のように感じられる更別村の医療ですが,実はこのような医療が受けられる地域は全国的にも非常にまれであることを,みなさんはご存じでしょうか?
これには実は秘密があります.
「医師の教育施設に認定されている」からなのです.
小規模なまちは昔から医師の確保に苦労してきました.通常,来てくれる医師は1人.しかも数年でいなくなってしまい安定しない.更別村もかつてはそうでした.
しかし,15年前.更別村は「日本プライマリ・ケア連合学会」が認定する家庭医(総合診療医)教育施設のトップランナー,北海道家庭医療学センターと医師派遣の契約を結び,同センターの家庭医(総合診療医)の教育を担うことになりました.
家庭医(総合診療医)を志す医学生,研修医,さらには家庭医(総合診療医)の専門医を取得した医師が絶えず出入りし,4人もの医師が常勤するようになったのです.
 熱意にあふれた彼・彼女らが更別の地で学ばせて頂いているともに,この地域の医療を支えています.私や棟方医師のような指導医クラスのベテラン医師に加えて若手の医師がいることで診療所はいつも活気があります.若手の医師は診察に少し時間がかかることもありますし,難しい健康問題をご相談頂くときには私がお手伝いしなければならない時もあります.それでも,彼ら・彼女らのおかげで更別村の医療が支えられ発展し続けているのだということを皆様にお伝えしたいと思います.
所長 山田康介

2015年7月7日火曜日

泣かせちゃ行けない? お子さんの診察 〜十勝毎日新聞 子育て面 エッセイ 「おおきくなあれ」7月5日掲載分より〜


ヤマダが十勝毎日新聞に不定期に連載させていただいているエッセイが,
7月5日(日)に掲載されましたのでご紹介します.

風邪を引いた小さなお子さんをはじめて診察した研修医.
その日の夕方の振り返りにて.
研修医:「泣かせちゃ行けない,と思ってドキドキでした.」
山田:「お子さんにも保護者にも優しく声かけして,嫌がる診察は最後にするなど,とてもよくできていましたよ.でも,泣かせちゃ行けない,って思っていたのですね.」
子どもの診察について2人で考察してみました.
診察の時にお子さんが泣くと聴診が難しくなる.おなかに力が入ってしまって正しく診察ができない.医師が「泣かせちゃ行けない」と考える第1の理由がこれ.
子どもを泣かすことへの罪悪感がある,保護者に「この医者,子どもの扱いに慣れてないのでは?」と思われることへの不安がある.これもよくある第2の理由.
つい「泣かせてはいけない」と身構えたくなるものなのです.
でも,ここは小さなお子さんの立場になって考えてみたい.きっとお子さんの方が私たち医師よりもずっと不安な気持ちで目の前にすわっている.マスクで顔を隠した知らない大人の男性が体に触れるのですから,泣きたい気持ちになるのは当然.
「お体の診察も大事だからなるべく泣かないでがまんできるようにやってみるけど,恐ろしかったら泣いてもいいんだよ.」泣きたい気持ちを受け入れてあげるとよいかも知れない.診察の後は泣いても泣かなくても「がんばったね,上手にできたね」とお子さんの目を見て声をかけたりして.
こんなやりとりをしました.
短い時間ではありますがお子さんが「大丈夫,安心」「がんばれた,やれた」という気持ちが持てるようなコミュニケーションを心がけたいですし,それを研修に来た若い医師にも伝えていきたいと思っています.

風邪薬の眠気は,ただの眠気ではない? 〜船木先生の薬の話 かわら版2017年10月号より〜

「風邪をひいたかな?」と感じた時、症状が悪化しないように早めに風邪薬を服用される方も多いのではないでしょうか。今月は、風邪薬を飲んだ時の副作用について、フナキ調剤薬局 船木達 薬剤師にお話を伺いました。      風邪のつらい症状...